ヤシャルの書を読む前に
こちらをお読みください
ヤシャルの書とは?



1〜3章はこちら





4章  背教〜ノアの誕生


987年ーエノクの携挙
987年ーメトシェラ王
1. エノクが地上に住んでいたすべての年月は、365年であった。 
2. エノクが天へと昇ったとき、地のすべての王たちは立ち上がって、彼の息子メトシェラを選び、彼に油を注いだ。
彼らは、父の代わりにメトシェラに彼らを治めさせた。 
3. メトシェラは、父エノクが彼に教えたように、神目の前に実直に行動し、彼は同じように生涯を通じて、人の子らに知恵、知識、神への恐れを教えた。
そして、彼は正しい道から右へも左へもそれなかった。 
4. しかし、メトシェラの時代の末に、人の子らは主から離れ、地を堕落させ(破壊し)、盗み、互いに奪い合い、神に対して反逆し、背き、その道を堕落させ、メトシェラの声に耳を貸さず、彼に反逆した。
5. 主は彼らに対し、極めて激怒し、そのころ、種子を破壊し続けたのである。
そのため、地には、種まきも刈り取りもなかった。 
6. 彼らが、自分たちを養うための食物を得るために地面に種をまくと、見よ、彼らがまかなかったトゲ植物とアザミが生えた。 
7. しかし、それでも人の子らは彼らの邪悪な道(生き方)から立ち返らず、神の目の前で悪を行うために、その手をさらに伸ばした。彼らは自分たちの邪悪な道で主の怒りを引き起こし、主は非常に怒り、人を造ったことを後悔した。 
8. そして、主は彼らを滅ぼし、全滅させようと考え、そのようにした。

1042年ーセツの死
9. メトシェラの子レメクが168歳だったころに、アダムの息子セツは死んだ。
10. セツは全部で912年生き、彼は死んだ。
11. レメクが180歳の時、彼の叔父エノクの息子エリシャの娘アムシュアをめとり、彼女は身ごもった。
12. その時、人の子らは地面に種をまき、少しの食物が生じた。
しかし、それでも人の子らは、その邪悪な道から立ち返らず、彼らは神に対して背き、反抗した。

1056年ーノアの誕生
13. レメクの妻は、1周年の時に身ごもり、レメクに息子を産んだ。
14. メトシェラはこう言って、彼の名をノアと呼んだ。「地は彼の時代に休息し、堕落から解放される。」
そして、彼の父レメクはこう言って、彼の名をメナケムと呼んだ。「この子は、神が呪った地で、我々の仕事(わざ)と惨めな苦労を楽にする。」
15. 子は成長して乳離れし、祖父メトシェラの道を歩み、全き者で、神に対して実直(真っ直ぐ)であった。
16. 人の子はみな、地上で息子や娘たちが増えてきた当時、主の道から離れた。
彼らは互いに、その邪悪な習慣を教え合い、主に対して罪を犯し続けた。
17. すべての人が自分を神とし、彼らは隣人や親戚、すべての人から盗み、奪った。そうして、彼らは地を堕落させ、地は暴力で満たされた。
18. 彼らの審判者と支配者たち(補足:この記述は堕天使の記述と思われる)は、人々の娘たちのところに行き、彼らが選んだとおりに妻をその夫から無理矢理取った。
人の子らはそのころ、地の家畜、野の獣、空の鳥から取って、ある種と他の種の動物の混合することを教え、それによって主の怒りを引き起こした。
(補足:遺伝子を組み替えたり、豚にほうれん草の遺伝子を入れたりすることを、現在の世の中でも行なっている。神の裁きは近いと言わざるを得ない。)

神が全地を見ると、それは堕落していた。
なぜなら、すべての肉なるものが地上で、その道が堕落していたからである。それはすべての人々とすべての動物たちであった。
19. 主は言われた。
「わたしは地の表から、わたしが造りし人を、いや、人から空の鳥に至るまで、野にいる家畜や獣とともに消し去ろう。わたしは、それらを造ったことを悔いるからだ。」
20. 主の道を歩んだすべての人々は、そのころ、つまり主が宣言された人に災いをもたらす前に死んだ。
なぜなら、それは主から出たことであり、人の子らに関して主が語られた災いを彼らが見るべきではないからである。
21. ノアは、主の目の前に恵みを見出した。
主は彼とその子どもたちを選び、全地の表で彼らから子孫を起こした。





5章  ノア〜メトシェラの死


1140年ーエノシュの死
1. ノアの生涯84年目に、セツの息子エノシュが死んだ。死んだ時、彼は950歳であった。

1235年ーケナンの死
2. ノアの生涯179年目に、エノシュの息子ケナンが死んだ。ケナンは全部で910年生き、彼は死んだ。

1290年ーマハラルエルの死
3. ノアの生涯234年目に、ケナンの息子マハラルエルが死んだ。マハラルエルは全部で895年生き、彼は死んだ。

1422年ーヤレドの死
4. ノアの生涯336(366のミスか?)年目に、マハラルエルの息子ヤレドが死んだ。ヤレドは全部で962年生き、彼は死んだ。
5. 主に従う者はみな、そのころ、つまり神が地上に行うと宣言した災いを見る前に死んだ。

1536年ー神様が洪水の到来を警告
6. 多くの年を経たのち、ノアの生涯の480年目に、主に従ったすべての人々が、人の子らの間から死に絶え、メトシェラだけが残されたとき、神はノアとメトシェラにこう語られた。
7. 「あなたがたは、人の子らにこう語り、告げなさい。
『主はこう言われる。[あなたがたの邪悪な道から立ち返り、あなたの仕業を捨てなさい。そうすれば、主は彼があなたがたに行うと宣言した災いを思い直すため、それは起きないでしょう。]
8. なぜなら主はこう言われているからだ。[見よ、わたしはあなたがたに120年の期間を与える。もしあなたがたがわたしの方を向き、あなたがたの邪悪な道を捨てるなら、そのときは、わたしもあなたがたに語った災いから離れ、それは起きない。]と主は言われる。』」
9. ノアとメトシェラは、人の子らに、主のことばをすべて語った。来る日も来る日も継続して彼らに語った。
10. しかし、人の子らは彼らの言うことを聞かず、彼らの言葉に耳を傾けようともせず、首をかしげた。
11. 主は、こう言って、彼らに120年の期間を認めたのである。
「もし彼らが立ち返るなら、神は地を滅ぼさないように災いを思い直し、地を滅ぼすことはしない。」
12. レメクの子ノアは当時、子供を産むために妻をめとることを控えた。
彼はこのように言っていたからである。
「確かに今、神は地を滅ぼされる。では、何のために、私は子をもうけるのか?」
13. ノアは正しき人であり、彼の一族(世代)の中で全き者であった。主は、地の表で彼の子孫を起こすよう、彼をお選びになった。
14. 主はノアにこう言った。
「あなたに妻をめとり、子供をもうけなさい。わたしは、この世代において、わたしの前であなたが正しいのを見てきているからだ。

1554年ーノア、ナアマと結婚
15. 地の真中で、あなたは子孫を起こさなければならない。あなたの子供たちもあなたと一緒に。」
ノアは行って、妻をめとった。
ノアは、エノクの娘ナアマを選んだ。
(補足:決して、カインの子孫で悪しき者トバル・カインの妹ナアマではない。)
彼女は、580歳であった。
16. そしてノアは妻をめとった時、498歳であった。

1558年ーセムの誕生
17. ナアマは身ごもり、息子を産んだ。
ノアはこう言って、その名をヤペテと呼んだ。「神は、地で私を大きくしてくださる。」
彼女は再び身ごもり、息子を産んだ。
ノアはこう言って、その名をセムと呼んだ。「神は私を残りの者とし、地の真中で子孫を起こす。」
18. ナアマがセムを産んだ時、ノアは502歳であった。少年たちは成長し、メトシェラと彼らの父ノアの語ったすべてのうちを歩み、主の道を歩んだ。
(補足:ヤペテとセムの記述はあるが、ハムの記述がない。おそらく主の道を歩まなかったのであろう。)

1651年ーレメクの死
19. ノアの父レメクが死んだ頃、彼はまだ確かに父の道に心を尽くして歩めていなかった。
彼はノアの生涯の595年で死んだ。 
20. そして、レメク生涯は全部で770年だった。
21. 主を知っていた人の子らはみな、主が彼らに災いをもたらす前の年に死んだ。
主がそのように宣言されたとおり、神は彼らの兄弟や親戚にもたらす災いを見ないように、主は彼らが死ぬことを望んでおられたからである。
22. その時、主はノアとメトシェラに言われた。
「前へ立ち、その時にわたしがあなたたちに語ったすべてのことばを、人の子らに宣べ伝えなさい。そうすれば、ひょっとすると彼らは、自分の邪悪な道から立ち返るかもしれない。そうすれば、わたしは災いを思い直し、彼らに災いをもたらすことはないだろう。」
23. ノアとメトシェラは立って、人の子らの耳に、神が彼らについて語られたすべてのことを語った。
24. しかし、人の子らは耳を貸さず、すべての語られたことばに耳を傾けようともしなかった。
25. その後のこと、主はノアに言われた。
「彼らの悪行のゆえに、すべての肉なるものの終わりがわたしの前に来ている。見よ。わたしは地を滅ぼす。
26. あなたはゴフェルの木を手に取り、定まった場所に行き、大きな箱舟を作って、その場所に設置しなさい。
27. このように、あなたはそれを作らなければならない。その長さは300キュビト、幅は50キュビト、高さは30キュビト。
28. あなたは自分のために戸を作り、その横を開き、1キュビトを上に仕上げ、それを内も外も樹脂で覆わなければならない。
29. 見よ。わたしは地に大洪水をもたらし、すべての肉なるものは滅ぼされ、天(複数形)の下から地上にあるものすべてが死ぬであろう。
30. あなたとあなたの家族は行き、すべての生き物のうち、雄と雌の二組を集め、箱舟に連れて行って、彼らから地上に子孫を育てなければならない。
31. そして、すべての動物が食べるすべての食べ物をあなたのもとへ集めなさい。あなたと彼らのための食べ物があるようにするためです。
32. あなたはあなたの息子たちのために、人の娘から3人の処女を選び、あなたの息子たちの妻としなければならない。」
33. ノアは立ち上がり、神が彼に命じられた場所に箱舟を造った。
ノアは、神が彼に命じられたとおりに行なった。

1651年ー箱舟の建造開始
34. ノアは、生涯595年目に箱舟を作り始めた。
彼は主が命じられたとおりに、5年で箱舟を作った。
35. それからノアは、主がノアに命じられたように、メトシェラの子エリアキムの3人の娘を、息子たちの妻として連れてきた。

1656年ーメトシェラの死
36. そのとき、エノクの息子メトシェラが死んだ。
死んだ時、969歳であった。




続き
6章  ノアの洪水